生徒指導学会関西地区研究会について

 日本生徒指導学会は、平成12年の発足以来、生徒指導に関する研究と実践活動を続けてまいりました。現場のための研究・実践を探求するという学会発足の初心に立ち返り、生徒指導の一層の充実と発展に向けて地区活動の活性化を図るため、平成20年に、教育現場スタッフ、行政関係者、研究者を会員として、関西地区研究会が発足いたしました。 ネットいじめや不登校、小学生の暴力行為や自殺等、最近の多様化した問題行動に取り組むためには、個別の内面理解や社会状況の分析を行うアセスメント力や、関係機関の固有の役割を知ったうえで連携を図るコーディネート力などが求められています。しかし、これまでの生徒指導実践は、個々の教師の勘や経験に頼る傾向が強く、学問的知見が問題解決のために活かされることは決して多くありませんでした。解決の糸口すら見えない複雑な生徒指導上の課題が山積する今こそ、実践を切り開くための理論が求められているのではないでしょうか。

 理論と実践、学問と現場が相互につながり支え合う関係になるための場の一つが、本研究会に他なりません。生徒指導に携わる者が、それぞれの持ち場で奮闘するだけでなく、志を同じくする者が一堂に会して、新たな生徒指導の知の構築をめざして学び合うことの意義は小さくないと考えます。また、そのことは、日々の教育活動において、時には折れそうになる心を支え合うことにもつながるものと思われます。

 今後、大会当日のみならず日常活動にも生かせるよう、ホームページを活用し、「元気のでる生徒指導」をこの関西から発信していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

2015年8月8日
日本生徒指導学会関西地区研究会
会長  新井 肇