三重県における取組のうち、3点について紹介します。
〔1〕「学校非公式サイト対策」について
今年度より県内全公立の全中・高等学校を対象に学校非公式サイトの検索を行いました。
○検索方法
全体検索は年間三回実施し、各回ごとにリスクの高いサイトを継続監視しました。
○検索結果から見えてきたこと
・調査対象のすべての学校において学校非公式サイトが存在している
・高等学校にくらべて中学校の方が危険度の高いサイトの割合が高い。
・取組の結果、誹謗中傷の書き込みは減少したが、個人情報の掲載については新たなものが掲載され減少率が低い。
○今後の対応について
・児童生徒が興味を持つ占いサイト等にアクセスさせることにより、本人の意志の有無に関係なく登録を行い、出会い系等のメールの配信をさせるような仕組みがあるなど、様々な状況を把握していく必要がある。
・インターネット等に関する知識については必要ではあるが、そこを核にするのではなく、子どもたちのコミュニケーションの問題として抜本的な取組は何かを検討し対策を考えていく必要がある。
〔2〕SSWについて
生徒指導上の課題は多様化・複雑化しています。そこで三重県では、SSWの枠組みを社会福祉的な部分だけに限定せず、様々な事例に対応できるように多様な人材を配置しました。また、1地域に特定のSSWを配置するのではなく、県教委に配置をして事案の発生した学校に派遣して対応するようにしました。
効果的な配置を行うため、県事業による生徒指導特別指導員を派遣し、事前に情報を集めてアセスメントしたうえで派遣を行うようにしています。
〔3〕学級経営力の向上
三重県では、安心できる学級を育成することにより、不登校・いじめの未然防止を行う調査研究を行っています。
具体的には、学級満足度尺度(QU)を活用し、調査校全体での取組をすすめています。QUを採用する学校は増加してきていますが、QUはあくまで測定尺度であり、重要なのは測定間においてどのような活動を全校体制で行うかが左右していることが明らかになってきました。今後、これらの調査で得た知見をもとに魅力ある学校づくりの取組を行っていきます。