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日 時:平成24年10月6日(土)10:00〜12:00(9:30受付)
場 所:京都府警察本部少年課少年サポートセンター会議室
今、いろいろないじめの事件が出てきており、被害届という形で直接、警察へ相談や届けが出るようになってきた。警察と学校の良い関係づくりについて、日常的にどのように積み上げていくかが、これからの教育界あるいは生徒指導が考えていかなければならない課題である。
今日は、少年非行と立ち直りについて取り上げていただく。最近は、その立ち直りの目的に沿って警察と学校の両者が協働して取り組んでいる。特に警察では日常的な相談活動も学校と協力する体制になっており、これは、いじめ事件だけでなく、非行問題に関して、大きな柱になりつつある。このような動きを京都の場合、どのように取り組んでいるのかを、しっかりと勉強させていただきたい。
平成22年より2年間、京都府で初めての京都府警少年課と京都府教育委員会の人事交流による、京都府教育委員会学校教育課への派遣勤務をされた西田警部は、20数年間、少年警察というものに携わっておられる。今回の講演では、京都府の少年非行の現状について報告された後、小学生の立ち直り支援についてご自身の体験談と、規範意識を向上させるためのポイントについてご講演いただいた。
サポートセンターに勤務していた5年前、問題行動の突出していた小学6年生の男子2名、女子2名の児童に出会う。彼らを何とかしようと思い、立ち直り支援を始めた。重要なポイントは、受容と共感を心がけることであり、何よりも保護者との信頼関係を築くことが大切であると考え、保護者面接を行った。今時の親であるが、子供を心配する親に変わりは無い。そこに接点があり、話ができ、信頼関係は徐々に創りあげるのが基本である。次に大切なことは我々大人が子どもたちに対して約束を守ることである。学校での主要行事は必ず様子を見に行き、がんばっていた様子を保護者に伝え、間接的に褒める。親と子どもの絆を深めるため体験活動に親子で参加させる。中学校進学に向け勉強会を実施するなど、様々な取組の中、これからという時期に自身の転勤が決まる。その後、教育委員会に務め、彼らと再会し、中学校の卒業式で彼等の成長を確認できた。これも、当然、学校の先生方が彼等のために一生懸命指導されたおかげであることは言うまでも無い。
日 時:平成24年12月1日(土)10:00〜12:00(9:30受付)
場 所:堺市役所本館地下1 階会議室
現在、大津だけでなく色々なところでいじめにかかる事件が発生している。いじめは早い段階での組織としての「気づき」と迅速な対応が基本である。これまでは「いじめは人として決して許されない」と、倫理・道徳や人間関係のモラルとして指導していたが、これでは説得力が無い。いじめは犯罪と地続きである。より説得力のある指導をするためには、道徳と法の両側面から伝えることが大切である。関係機関との連携について、組織同士の隙間をどう埋めていくかがこれからの課題だと思っている。いじめが発生したことによって教育が問われるのは、いかにして早期に発見し、どう対応したか、子どもたちに何を学ばせようとしたかにある。先生方には教職に就いた頃の原点に立ち返って子どもたちと関わっていただきたい。
スクールサポートチームを設置するきっかけとなったA中学校への指導主事の支援について、自分の体験談をもとに中学校の荒れの状況や、指導主事が学校に駐在し指導支援をするに至った経緯をはじめ、支援の様子について発表した。
学校には組織やチーム力が必要であることを実感したことや、毎日学校に通ったことで生徒の声が聞けた上、学校を立て直すヒントを見いだしたこと。それは、常に学校現場に赴き、直接生徒に当たることが大切であることであり、スクールサポートチームの活動の原点であるとの報告があった。
ご自身を含む3人の危機管理アドバイザーの紹介や、学校の荒れの原因について述べられた後、荒れた学校への対応について、@ 何事も先手を打って対応する。A学校は校長以下教職員が一枚岩になっていないといけない。組織で対応する。B 早期に関係機関を活用する。C事案が生じたら、事態を大きくとらえ小さくまとめる。の4点のアドバイスをされた。また、学校現場において@校内が汚い。A先生が挨拶できない。B 子どもの遊びが荒くなってくる。C授業に先生の工夫がない。状態であると、荒れはもうそこまで来ているといった荒れ野特徴を見つけるポイントを紹介された。
また、来訪者の対応場所について、校長室ではなく、応接室を校長室以外に造って対応し、一つの対応に長時間かけないような室内の工夫をするといった提案がなされた。
少年サポートセンターに2 0年間、青少年クリニックで10年間務められた向井氏は、ご自身の経験をもとに、保護者への対応の仕方、元気の出る言葉のかけ方について発表された。また、ご自身が対応された「出会い系サイト」の事例について報告があった。今の子どもの特徴として、愛されているという実感がなく、自尊心が低いことから、様々な問題や事件に巻き込まれやすい。もっと、学校や家庭で褒めてやって欲しいと話された。「最近の先生は教師の喜びというよりも苦悩を抱えているように思える」との指摘もあった。